なんだろう、俺の発見伝

タイトルは友人の案。

就職してから4カ月目の新人がこれまでのことを私小説風に書く。

単なるラッキーストライク

暑いけどクーラー入れると電気代かかるからって、裸でたまに風呂に入りながら1日水5リットル飲みつつゲームずっとしてて栄養失調になったのももう一年前くらいになる、8月だ。
トイレに行きたい。
あれからかれこれ萬のことも漫ろに、三月卒業し四月就職して、もう4ヶ月目になる。
遠くで踏切の鳴る音がする。
振り返ることもなくもないが振り返るには忘れすぎた。GWに金沢に行ったことも、と書こうと思ったが書いていると案外何かしらあったなと思い出してきた。忘れっぽいが思い出しやすいものかもしれない。そういや突拍子もない夢を思いつきで語り合ったりもしたこともあった。
新しいタバコに短くなったタバコの火種で火を点ける。トイレに行きたい。
組織内で一番仕事量の多いサビ残当たり前文化の地区に新人研修も漫ろに投げ出されて、定時とはなんだったのかと疑問もさっと消えていくほどにサビ残、机に向かいて言語感覚が衰えてきたことを実感しつつテンプレートの書類を新しい年月日と数字と記号、定型句で埋めていく。
それまで知らなかったことも大いに知ったが、大学時代からあったものも多く失った気もする。ただ相変わらず日常のテンションは低いままだ。
汗を吸ったシャツが臭う。
働きだしてからいろいろ考えることもあったがこうやって文章にしてるのはこれが最初で、それまでは池沼的に単語でしかメモが残ってない。しかしそのメモも仕事やってる中でどっかいっちまった。大半の人間は俺と同じもんかと思う一方、俺が池沼すぎるのではと疑問符が右手を彷徨っている。
吸ってる銘柄同様たまたま放った球が人事のキャッチャーミットに吸い込まれていったにすぎない。狙って入れる技量もない人間だからこそテキトーな願掛けに及び腰で無意識に頼ってたのかもしれない。そうでもないかもしれないが、過去の自分が何考えてたかわかるようなメモも残してない杜撰さで、なんとかなるだろう的な3月頃の観測は見事に見誤ってしまった。
詰まる所事務方の業務が苦手。慣れてきたのは失敗すること。
楽しく書こうと思っていたが自分が楽しいだけで読み手はどうだ。弁当だけしか入らない通勤鞄をググる誰ともしれない電話音が鳴り響く。
かといって苦手な仕事ばかりかというとそうでもなく、大学時代に培った場当たり的進行手法で運営的なものは割と気楽だ。まあどうせ誰も掛かる失敗のリスクから手を上げにくいからこそ、逆説的にハードルが低く、背負うものもないもないド新人だからこそ大きく出れるものかもしれない。環境をそんな感じでしかうまく利用できないのが、詰みつつある感じだ。給料も同じ新人の平均から見たらベラボーに低いし。
場当たり的に就職でき、場当たり的にはうまくこなせるが連環の理に計画的に殺される、まさに場当たり人間の生涯と言える。
ともかく事務は慣れても慣れそうにない。当たり前のことが当たり前にできずに成長した子供が、多少当たり前のことが当たり前にできなくても許される大学で羽伸ばしたまま社会に出て
かけがえがあるので惨めに失敗を繰り返すどうやら今日はいつも以上はるかにテンションが低い。
タバコ吸ってるせいか深呼吸しても肺活量が足りない気がする。
精神のモラトリアム第二ステージ真っ只中飯食ったら書く気も起きなくなったしどう締めるかもどうでもよくなったのでおしり