なんだろう、俺の発見伝

タイトルは友人の案。

珈琲味の砂糖を舐めて

20ccほど残した珈琲かつぷにグラニュー糖をどっさりと、
スプーンでかき混ぜて少し掬つて、
舐めて、
喫茶店で本を読んでいた。
とうとう、からめるに似た味となった珈琲は、
作られてからもう三時間経とうとして、
風味のあせた煙草はとっくに灰と化し、
ただ水と、珈琲味の砂糖。
読書に耽るわたしの横の席の客はとつかえひつかえ。
再度砂糖鉢からグラニュー糖を掬い、
店内の曲はコルレトーンから、ヴァイオリン奏者に変わり、
「小気味良い」の意味が変わり、
入れかき混ぜて。
ゴリゴリとした感触を潰しにかけ、
本の頁を肘で抑え、その手で顎をあずけ、
逆の手でスマホでこれを書いて、離して、
目を文章へ、
珈琲味の砂糖を舐める。