なんだろう、俺の発見伝

タイトルは友人の案。

明日はマルナカが安売りの日

何時に起きたっけなあ。だいたい10時50分くらいまで寝床でもぞもぞしてて、部屋に差し込んでくる日光が少し顔に当たって「おひさまあったかいナリー」とか言ってた。でスマホをイジイジしつつ、「スマホあったかいナリー」とか言ってたような気がする。で、昨日パンの耳食い終えたから朝飯がないことに気づいて猛然、がばりと起きて、着替えて、部屋を掃除してた。だいたい12時くらいに冷凍ストックのご飯チンして食って、本を読もうと外へ出かけた。冷凍ご飯だけじゃ腹が持たなかったので途中うどん屋でかけ小を食べた。このあとは南珈琲店という店に入ってブレンドコーヒーだけ頼んだ。店はおやつの時間帯だからか混雑してて、カウンター席の隅っこに座ることにした。だいたいこれで3時ごろ。この後は6時半までずっと萩原朔太郎の詩集を読んでいた。気に入った詩をエバーノートにメモりつつ読んでいたけど、なかなか面倒だった。文字数が多い詩は写真とってそれを貼り付けた。以下、こんな感じ

詩の表現は素朴なれ、詩のにほひは芳純でありたい。16ページ
リズムは以心伝心である。そのリズムはを無言で感知することのできる人とのみ、私は手をとって語り合ふことができる。
p16
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(他にもいい文があるので写真として残す)


月に吠える犬は、自分の影に怪しみ恐れて吠えるのである。p18


ますぐなるもの地面に生え、
するどき青きもの地面に生え、
凍れる冬をつらぬきて、
そのみどり葉光る朝の空路に、
なみだたれ、
なみだをたれ、
いまはや懺悔をはれる肩の上より、
けぶれる竹の根はひろごり、
するどき青きもの地面に生え。p24


林あり、
沼あり、
蒼天あり、
人の手にはおもみを感じ
しづかに純金の亀ねむる、
この光る、
寂しき自然のいたみにたへ、
ひとの心霊(こころ)をまさぐりしづむ、
亀は蒼天のふかみにしづむ。p26

感傷の手
わが性のせんちめんたる、
あまたある手をかなしむ、
手はつねに頭上にをどり、
また胸にひかりさびしみしが、
しだいに夏おとろへ、
かへれば燕はや巣を立ち、
おほ麦はつめたくひやさる。
あぁ、都をわすれ、
われすでに胡弓を弾かず、
手ははがねとなり、
いんさんとして土地(つち)を掘る。
いぢらしき感傷の手は土地を掘る。

危険な散歩
春になつて、
おれは新しい靴のうらにごむをつけた、
どんな粗製の歩道をあるいても、
あのいやらしい音がしないやうに、
それにおれはどつさり壊れものをかかへこんでる
それがなによりけんのんだ。
さあ、そろそろ歩きはじめた、
みんなそつとしてくれ、
そつとしてくれ、
おれは心配で心配でたまらない、
たとへどんなことがあつても、
おれの歪んだ足つきだけは見ないでおくや。
おれはぜつたいぜつめいだ、
おれは病気の風船乗りみたいに、
いつも憔悴した方角で、
ふらふらふらふら歩いてゐるのだ。p32

椅子
椅子の下にねむれるひとは、
おほいなる家の作れるひとの子供らか。
p35

およぐひと
およぐひとのからだはななめにのびる、
二本の手はながくそろへてひきのばされる、
およぐひとの心臓はくらげのやうにすきとほる、
およぐひとの瞳はつりがねのひびきをききつつ、
およぐひとのたましひは水のうへの月にをみる。
p37
青木の梢をあふぎて
まづしい、さみしい町の裏通りで、
青樹がほそほそと生えてゐた。
わたしは愛をもとめてゐる、
わたしを愛する心のまづしい乙女を求めてゐる、
その人の手は青い梢の上でふるへてゐる、
わたしの愛を求めるために、いつもたかいところでやさしい感情にふるへてゐる。

わたしは遠い遠い街道で乞食をした、
みぢめにも飢えた心が腐つた葱や肉のにほいを嗅いで涙を流した、
うらぶれはてた乞食の心でいつも町の裏通りを歩きまはつた。

愛をもとめる心は、かなしい孤独の長い長いつかれの後にきたる、
それはなつかしい、おほきな海のやうな感情である。

道ばたのやせ地に生えた青樹の梢で、
ちつぽけな葉つぱがひらひらと風にひるがへつてゐた。p45.46

恐ろしく憂鬱なる
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前回投稿した詩は、晩飯を食って多少腹が膨れている状態で見返すと、なんとまあ恥ずかしい、はたから見ると自己陶酔にしか見えないようなこと書いたもんだと思ったが、あの時分の私は非常に腹を空かせており、それゆえ砂糖を舐めていたわけで、腹を空かせつつも詩集が面白いもんだから、日本昔ばなしのこわいばあさんが出てくる回の「まだまだもうちょっと」という子供のように、まだまだイヤイヤと自分で自分に駄々をこねている様だった。にしても読み返すと自己陶酔の臭いで青くさいったらありゃしない。上述のように、朔太郎も「詩の表現は素朴なれ、詩のにほひは芳純でありたい」と書いているのにお前はどうした百ぺん読み返せとあの頃の自分に言いたい。

喫茶店で3時間居座っている間に渡しの席の隣にいろいろな客が座ってきた。最初は分厚い月刊の少女漫画雑誌を買ったばあさんだ。少女漫画にはあまり詳しくないけど、ちゃお!とかりぼんとかのような今どきのオンナノコが読みそうな感じではなかった。食い入るようにばあさんは見ていたので、ついにその雑誌タイトルを知ることはできなかったが、いろいろとインパクトがあって、なぜ「ここ」で少女漫画雑誌を読む必要があるのか考えると、あのばあさんは家では息子一家が住んでいるからあまりプライベートを持ち出せず、でも少女漫画雑誌を読みたい、というところで本屋から近場の、比較的来る客の年齢層が高いこの喫茶店を選んだのではないか。いやいや、あのばあさんはかなりの教育ママならぬ教育ババアで、孫に与える漫画も自分で一度目を通して、その思想的安全を確かめるためこの行きつけの喫茶店に来ていたのだ。とかなんとか読書しながら考えていた。
その次に座ったのは男一人と女二人の社会人三人グループの男の方だった。
ちょうどその時、エバーノートに「危険な散歩」をスマホで写している最中だったので、「その席はさっき少女漫画を読む得体の知れないばあさんが座った席で気味が悪いから、こっちの空いてるテーブル席に座りましょうよ」とかなんとか言って、その男女比のバランス悪いところへドサクサに紛れて押し入らんとするタイミングを完全に失ってしまった。朔太郎許さん。
彼らの会話は専らとっちらかっていて収拾ついてなかったが、「若い子は美味しいものを食べるためのお金を渋る」という話がなかなか面白いと思った。彼らの年齢は三十路をいくつか過ぎたところらしかったが、そのくらいの年齢になると物欲よりも「おいしいもの」を求める食欲のほうに重点をおくようになるらしい。「でもわたしの周りの最近の若い子って外食=居酒屋ってかんじなんですよ」と。俺!俺けっこう美味いもの食いに行きますよ!!!!!!11最近は金は致命的にないけど、夏頃まではけっこう行ってましたよ!入店直後に「予約は~」って聞いてく予約してない客を追い返しに来る店員にも、臆さず「◯時に予約してた〇〇ですが」ってちゃんと予約した上で、うまい飯食ったよ!その店訪れた一回目は予約してなかったからすごすごと追い返されたけど!学生が出せる範囲でのレストランや飯屋なら行ってる方ですよ!!!って言おうとしたけど持ち前のソクラテス無知の知理論で「いや、私の行っている店など、ゴマンとある飲食店のほんの一部に過ぎないのかもしれない。私は本当においしい食事のお店など知っていないのだ」と考えなおして言いそびれた。私の席の横のおっさんはふんふん、そうなんだ、と相槌を打っているばかりだったが、こちらに壁を作るようにして喋っていたので、俺に会話に参加する機会をくれよと内心私は思っていた。
彼らの会話はラーメン屋が開くまでの暇つぶしだったようで、17時20分頃には喫茶店を出て行った。いや、でもその時間にラーメン屋空いてるところあったっけな・・・。とここまで書いて、読み返したけど私は別に年上の女性が趣味というわけではない。普段メガネを掛けない近眼のため、少し離れた人の顔はぼやけて、上手く見えないのでややもすると、ややもする勘違いを起こすのだ。ただ、おばあさんは間違えようもない。おばあさんはおばあさんであるという動作、我婆たらんとするアイテムの数々、巾着や手押し車など、そして容姿はパーマ、丸くなった背中と、誰がどう見ても「こいつはおばあさんだ」と見間違えがないように、自分がおばあさんであることに対してとても真摯であるのだ。それができてないばあさんは、ばあさんだが「おばあさん」ではない、単なるババアである。そして私も歴とした人間であるから、個人の選択の自由という権利は持ちあわせてある。やはり同年代の異性との交友を持ちたい。これが私の選択である。しかし以下でも可。さらに言えばややもした場合でも、話せれば別に構わない。日常生活の中で女性との会話が占める割合など0.5%ほどしかないような私には単純に必要なのだ。ビタミンAとかEとかと同じようなものだ。枯渇ってレベルではない。元からないようなものだ。
そこんところを、これを読んでいる人にはわかってもらいたい。

それから1時間ほど詩集に没頭して、流石に3時間経ったし帰ろうと、商店街を自転車で進んでいると、さっきの三人グループが反対方向から歩いてきていた。

晩飯はさつまいもと玉ねぎを煮てそこにブイヨンを落としたスープとご飯だった。明日はマルナカが安売りの日だったはずなので、豆腐や卵を買いたい。
部屋に帰ってからはPCの前では読書など進むはずもなく、詩集は76頁までで止まっている。
いろいろなブログを見てスターを付けたり、はてブしたりしていた。
そしてこの日記を書き出すに至ると。うん、今約4170字で、四千字なんてすごい久々だ。ひっそりと書いた小説の第一章以来だ。そしてその小説は未完。哀しきかな。とりあえずこれ書きながらトイレ我慢してたのでさっさと行く前に投稿を。