なんだろう、俺の発見伝

タイトルは友人の案。

6文小説

本当は父の出張の土産ものだったが、彼はどんな音も出せるスナフキンのオカリナだと友達に言いふらしていた。彼はドとレとミとソとラとシの音は出せたが、ファの音はいくら練習しても出せなかった。だから一週間も経つと飽きてしまって家のどこかへ放ってしまった。あるとき彼は家でオカリナの音を聞いた、ファの音もきれいに出ていた。奏者は父だったのだが、スナフキン好きの彼は父がスナフキンなのか聞いた。父は静かに笑って「スナフキンは家族を持たないんだよ」と彼の頭をやさしく撫でた。