なんだろう、俺の発見伝

タイトルは友人の案。

突発旅行04.26  高松→三宮

この、控えめに見ても荒唐無稽な2泊3日の旅は、どこから語ればいいものかとお土産に買った八つ橋を食いながら考えている。ついでに言えば、今さっき「夜は短し歩けよ乙女」を読み終えたばかりだから、それに影響されて、森見節がこの日記の随所に垣間見られることだろう。この「読んだ本の文体を真似したくなる病」に罹った筆者の心情を読者諸君には汲み取ってもらいたい。それだけ森見登美彦の文体が鮮やかで軽やかだということなのですよ。

そしてこの日記の例によって、やはり今回も一昨日と昨日をいっしょに引っ括めて語らねばならないだろう。「記憶は鮮度が命」という言葉(さっき作った)があるから午前4時31分という夜明けも近い時刻から語りたいと思う。

「夜は短し語れよ男」というところだ。いささかゴロが悪くて、森見氏との彼我の差を感じる。

 

というわけで26日10時、バイト終わりの俺は退屈をしていた。思えばもう数時間後には日本国民全員が待ちに待った「黄金週間 The Gorden Week」略してGWの初日だ。なのにこれといって予定はなく、仕方ないから今日は格ゲーでもするかと思っていた。友達のMは北に向かうとツイッターに呟いて、俺が確認した10時頃にはもう岡山にいたようだった。

じゃあ、俺もどこか行こうかな。南でも行くか。と考えて高知までの交通費を調べると3300円。小旅行にしては値が張る。北(岡山)だと1470円で行けるのに、その約2倍の金額の対価としての高知での観光から得る効用を、金の無い経済学部生的観点から考えるとあまり魅力的なものには思えなかった。

あんまりよろしくないと考えている時に、ふと思い出したのが、いつぞや岡山へ向かうマリンライナーでいっしょに乗った友達Oの、「フェリーで三宮行くと安く済むよ」という言葉だった。

どんなものかとヤフーの路線図で調べてみるとフェリーで片道1800円!

おお!?高知行くより安いやんけ!と俺は思わず唸った。すぐさまいつものメンツで会議通話しているスカイプグループにコピペした。

ただページを良く見ると現在時刻(10時20分頃)から約1時間半後の11時56分に出発と書いてあり、少し気が引けたのは確かだ。行くのは早くて明日の朝かな、と考えていると友達Tが「行く?」と書き込んだ。一瞬俺は、彼が血迷ったかと思ったが、真意を尋ねるべくすぐさま通話ボタンを押した。

このあとは前の日記「26日日記」書いてある通りだ。つまりはそぞろ神の御心のままに、1時間で支度をし終え、悪ノリという学生特有の一種の若気の至りで2泊3日全行程約210㌔強をフェリーに電車にバスにレンタサイクルを駆使して突っ走ってしまったのだ。(下図 赤線が道程を大まかに表したもの)

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かの有名な三大兄貴が一人、プロシュートの兄貴を体現する名言「ブッ殺す」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」

というものがあるが、この私たちの旅もこの言葉を借りて表現するなら「旅に出ようと思ったなら、そのときすでにもう旅に出ていた」という感じだ。これで履歴書の特技欄に「身軽さに定評がある」と書けるというものだ。我らに幸あれ。

 

本数冊と財布と寝袋と医薬品、その他タオルやティッシュを旅行かばんに入れて、11時56分発の電車に間に合うように出発した。送迎バスの停留所は高松駅のバスターミナルではなく、ホテルの側面に沿った道にあった。バスに乗り揺られること約10分高松東港に付き、ジャンボフェリーに乗るための手続きをした。復路で3600円。やはり高知に行くよりも安い。これからは積極的に利用したいほどだ。

午前1時にフェリーが着き、1時25分ごろに三宮へ向かった。2時頃まではスカイプしたり、本を読んだりして起きていたが、旅の消耗を考えて数時間寝た。起きたのは神戸フェリーセンターに着く頃だった。三宮までの直通バスで200円。5時30分の朝焼けも朧な三宮駅に着いた。着いてすぐ、我が第二の故郷と将来なるであろう高松のグレードの差を感じてしまった。道が大きいだけでも田舎者には十分な発見なのだ。店が開くのは8時でそれまで2時間三宮駅周辺をブラブラした。電線が多い、カラスが多い、道がきったねえ、住宅地と商店がごっちゃになってる、などいろいろ見つつ、結果マクドナルドに行き着き、あんまりこんなものはどこで食っても一緒だから食いたくないなと愚痴を呟きつつ朝マックを口にし、8時を待っていた。Tが途中で寝て店員に注意を受けたのが7時45分くらいでそろそろ行くかと、目星を付けていたパン屋「ブランジェリー コム・シノワ」へ。しゃれおつな店構えで並んでいたパンもなかなか洒落ていた。26日はバイト終わって晩飯を食わずにそのまま来たので、食い意地を張りいくつもパンを食べてしまった。かすかにどんなパンを食べたか思い出せるのは、ラム酒を使いジャムを乗せたパンくらいか。パンといっても、いろいろ種類によって名前があるはずだけど、それがわからないから如何ともし難い。

如何ともし難いところで今回はこのへんで筆を置くことにする。6時前だ。

とりあえず次書くところがこの突貫旅行の醍醐味になるだろう。

今週のお題が「2013年のゴールデンウィーク」なので初めて、お題に沿う日記となった。

外は朝ぼらけだが、さっさと有明になる前に寝てしまおうと思う。まあ、起きていてもよさそうだ。

 

 待て次回。